看護師の退職時チェックリスト|書類・手続き・お金の漏れ防止ガイド

看護師の退職手続き

看護師が退職するとき、意外と見落としがちなのが事務手続きです。

退職そのものはできても、

  • 必要な書類がいつ届くかわからない
  • 保険の切り替えが遅れて無保険期間ができた
  • 税金やお金の手続きで思わぬ出費が発生した

というケースは、実はかなり多くあります。

特に看護師は、

夜勤・不規則勤務・人手不足の中で辞めることが多く、

「とにかく辞めること」に意識が向きがちです。

でも、退職後に困らないためには

辞める前〜辞めた直後の事務手続きをきちんと確認することは必須です。

この記事では、

退職前〜退職後に必ず確認しておきたい事務手続きを

チェックリスト形式+理由つきでまとめました。

「もう限界」「一刻も早く辞めたい」状態の人ほど、

最低限ここだけは押さえてから動いてください。

  1. 【STEP1】退職前に必ず確認すること(在職中)
    1. □ 就業規則を確認する
    2. □ 有給休暇の残日数を正確に把握する
      1. ⚠️有給付与日を“またぐ退職”の落とし穴
      2. 実際に確認すべき3つのポイント
      3. 有給申請前にやってほしいこと
    3. □ ボーナス(賞与)の支給条件を必ず確認する
      1. ① ボーナスの「支給日在籍要件」
      2. ② 「出勤実績」が条件に含まれていないか
      3. ③ 退職予定者は支給対象外と書かれていないか
    4. □ 退職日と「最終出勤日」を分けて考える
  2. 【STEP2】退職時にもらう書類チェックリスト
    1. □ 離職票(1・2)
      1. 離職票は何に使う?
      2. 離職票が必要になるのはどんな人?
      3. 離職票は2種類ある(1と2)
        1. 離職票−1
        2. 離職票−2(超重要)
      4. 退職理由は必ずチェックする
      5. いつ・どうやってもらえる?
    2. □ 源泉徴収票
      1. ① 転職先での年末調整に使う
      2. ② 確定申告に使う(転職しない・年内に再就職しない人)
      3. ③ 医療費控除・各種控除の計算に使う
      4. ④ 金融・行政手続きで求められることがある
      5. いつ・どうやってもらう?
      6. 失くしたらどうなる?
    3. □ 雇用保険被保険者証
      1. ① 転職先での雇用保険加入手続き
      2. ② 失業保険の申請
    4. □ 年金手帳(または基礎年金番号通知書)
    5. □ 健康保険資格喪失証明書
      1. ① 国民健康保険に加入するとき
      2. ② 家族の扶養に入るとき
      3. いつ・どうやってもらう?
  3. 【STEP3】退職後すぐにやる手続き(期限あり)
    1. □ 健康保険の切り替え
    2. □ 年金の切り替え
    3. □ 失業保険(必要な人のみ)
  4. 【STEP4】お金まわりで忘れがちなこと
    1. □ 住民税の支払い方法
    2. □ 奨学金の返済手続き
  5. 【STEP5】転職する人がやっておくと楽なこと
    1. □ 提出書類をまとめて保管
  6. まとめ

【STEP1】退職前に必ず確認すること(在職中)

□ 就業規則を確認する

まず最初にやるべきことは、就業規則の確認です。

特にチェックしたいポイントは以下です。

  • 退職の申し出期限(1か月前/3か月前など)
  • 有給休暇の扱い
  • ボーナスの支給要件
  • 奨学金・違約金の有無
  • 貸与物(制服・名札・ロッカー・PHSなど)

「就業規則なんて見たことない」という人も多いですが、

退職に関するルールはほぼすべてここに書いてあります。

師長や上司の言葉よりも、

最終的に基準になるのは就業規則です。

あとから

「そんな決まりだったとは知らなかった」

と言っても通用しません。

退職交渉を“感情”ではなく“ルール”で進めるための土台となるので、

確認しておいて損はありません。

□ 有給休暇の残日数を正確に把握する

退職を考え始めたら、必ず確認したいのが有給の残日数です。

「たぶん〇日くらい残ってる」という感覚でとるのではなく、きちんと確認して取れる分の日数を取りましょう。

実際には、

  • もう失効している分があった
  • 付与前だと思っていたら、すでに付与されていた
  • 管理方法がずさんでズレていた

というケースもあります。

⚠️有給付与日を“またぐ退職”の落とし穴

ここで多くの人がやってしまいがちなミスがあります。

たとえば、こんなケース👇

  • 有給付与日:4月1日
  • 退職の意思を伝えた日:2月
  • 退職日:4月30日
  • 実際に消化できる有給:4月1日以降に付与される分も含まれる

この場合、退職を決めた時点では有給が少なく見えていても、

退職日が有給付与日を過ぎていれば、

新しく付与された有給も消化対象になります。

にもかかわらず、

「もう辞めるから、新しく付く有給は使えないと思っていた」

「実際に使える日数より少ない日数で有給申請してしまった」

というケースも。

これは完全にもったいないパターンなので、

退職日時点での有給が何日あるかを確認しましょう。

ポイント:有給は「在籍していれば付与される」

有給休暇は、退職を決めているとしても

付与日に在籍していれば付与されます。

つまり、

有給付与日より前に退職を決めていても

有給付与日当日に在籍していれば

その有給は正式に付与され、消化する権利があります。

実際に確認すべき3つのポイント

有給残日数を確認する際は、

以下をセットでチェックしてください。

  • 現在の有給残日数
  • 次回の有給付与日
  • 付与予定日数(フル付与か、比例付与か)

特に、

  • 勤続年数が増えるタイミング
  • 退職を申し出た日と退職日が付与日を跨ぐ場合

このあたりは計算ミス・思い込みが起きやすいので注意しましょう。

有給申請前にやってほしいこと

有給消化のスケジュールを出す前に、

「私の場合、退職日までに使える有給は何日になりますか?」

と、人事・労務・事務に具体的に確認するのが安全です。

口頭だけでなくメールやメモなど、記録が残る形で聞いておくと安心です。

👇有給消化については別記事で詳しく解説

看護師のための退職時有給休暇消化ガイド

□ ボーナス(賞与)の支給条件を必ず確認する

退職前に意外と見落とされがちで、金額インパクトが大きいのが

「ボーナス(賞与)の扱い」です。

病院によっては数十万円単位で差が出ることも珍しくありません。

「あと1週間在籍していればボーナス出た」

「有給消化=対象外だと思って諦めた」

「退職日を早めすぎて数十万円逃した」

ということになると非常にもったいないです。

退職を決めたあとでも、

退職日を調整するだけで受け取れるケースは多いです。

「知らなかった」で損をするのは、あなたです。

損しないために、きちんと確認しましょう。

特に確認しておきたいのは、次の3点です。

① ボーナスの「支給日在籍要件」

まず最重要なのが、

支給日に在籍していることが条件かどうかです。

多くの病院では

「◯月◯日の賞与支給日に在籍している者」と定められています。

この場合、

有給消化中で実際に出勤していなくても、

在籍していれば支給対象になるケースがほとんどです。

つまり「最終出勤日はボーナス前でも、退職日はボーナス後」

というスケジュールが組める可能性があります。

② 「出勤実績」が条件に含まれていないか

一方で、病院によっては

  • 査定期間中の出勤率
  • 欠勤・休職日数
  • 有給消化の扱い

が賞与額に影響する場合もあります。

特に注意したいのが、

  • 休職期間がある
  • 病休が長かった
  • 無給の休みがある

こうしたケースでは

減額対象になる可能性があります。

※ただし、有給休暇は「出勤扱い」になることがほとんどなので、

有給消化中だからボーナスがゼロになるということは通常ありません。

③ 退職予定者は支給対象外と書かれていないか

まれに就業規則や賞与規程に、

「退職予定者は支給しない」

と書かれている病院もあります。

ただしこの場合も、

  • いつから「退職予定」と判断されるのか
  • 退職届提出時点なのか
  • 支給日時点なのか

解釈が分かれることが多く、グレーゾーンです。

判断に迷う場合は、

  • 就業規則
  • 賞与規程

を元に人事・総務への確認をしてみてください。

□ 退職日と「最終出勤日」を分けて考える

これは退職時有給消化する人は混乱しやすいところですが、かなり重要です。

  • 最終出勤日:実際に職場に行く最後の日
  • 退職日:有給消化後、在籍が終了する日

この2つは同じではありません。

例えば、

最終出勤日が3月31日でも、

有給消化が4月末まであれば、

退職日は4月30日になります。

この違いを理解していないと、

  • 保険の切り替え時期を間違える
  • 失業保険の手続きが遅れる
  • 書類の発行日で混乱する

といったトラブルにつながります。

最終出勤日・退職日は共にカレンダーに書いておいて混同しないようにしましょう。

【STEP2】退職時にもらう書類チェックリスト

退職時には、以下の書類を

必ず受け取る or 後日郵送されるか確認してください。

□ 離職票(1・2)

離職票は、

失業保険(基本手当)を申請するために必要な書類です。

退職するすべての人に自動で必要になるわけではありませんが、

  • 次の職場が決まっていない
  • 退職後、しばらく働かない
  • 失業保険を受給する可能性がある

このどれかに当てはまる人は、必ず関係する書類です。

離職票は何に使う?

離職票の役割は

「なぜ・いつ・どんな条件で会社を辞めたのか」をハローワークが判断するための書類です。

これを元に、

  • 失業保険をもらえるか
  • いつからもらえるか
  • どれくらいの期間もらえるか

が決まります。

離職票が必要になるのはどんな人?

以下に当てはまる人は、ほぼ確実に必要です。

  • 退職後すぐに転職しない
  • 転職先が決まっていない
  • 一度失業保険を受給してから再就職したい

逆に、

  • 退職翌日から次の職場に就職する
  • 失業保険を使わない

場合は、必ずしも必要ではありません。

ただし、

「使うかどうか迷っている」場合は、

念のため発行してもらうのが正解です。

離職票は2種類ある(1と2)

離職票は、

  • 離職票−1
  • 離職票−2

で構成されています。

離職票−1
  • 雇用保険の加入期間
  • 被保険者番号
  • 離職年月日
  • 賃金支払状況

など、事実関係が記載されています。

離職票−2(超重要)

退職理由が記載されており、

失業保険の金額・給付開始時期に直結します。

特に

  • 自己都合退職か
  • 会社都合退職か

の判断材料になるため、内容確認は必須です。

退職理由は必ずチェックする

病院側が記載した退職理由があなたの認識と違うケースがあります。

退職理由によって、

  • 給付開始までの待機期間
  • 給付日数

が大きく変わります。

納得できない内容の場合は、ハローワークで修正を申し出ることができるので、

必ず目を通しましょう。

いつ・どうやってもらえる?

離職票は多くの場合、

退職後10日〜2週間程度、郵送で届きます。

退職前に、

「離職票は発行してもらえますか?」

「いつ頃、どの住所に届きますか?」

と確認しておくと安心です。

すぐ転職する予定でも、もらっておくのが無難です。

□ 源泉徴収票

源泉徴収票は、

「その年に、いくら給料をもらって、いくら税金を払ったか」

を証明する、とても重要な書類です。

退職時に必ず受け取るべき書類のひとつで、

これがないとお金の手続きがスムーズに進みません。

源泉徴収票の主な用途は以下の4つです。

① 転職先での年末調整に使う

年内(1〜12月)に転職する人は、

次の職場で年末調整をしてもらうために必須です。

例えば6月に退職して7月に転職する場合、

前職分の給与と税金を合算して年末調整する必要があります。

源泉徴収票がないと

  • 年末調整ができない
  • 自分で確定申告する必要が出てくる

という、地味に面倒な事態になります。

② 確定申告に使う(転職しない・年内に再就職しない人)

以下に当てはまる人は確定申告が必要です。

  • 年内に再就職しない
  • フリーランス・派遣・単発勤務に切り替える
  • 失業保険を受給する
  • 年末調整をしてくれる会社がない

この確定申告で、

  • 払いすぎた所得税が戻ってくる
  • 逆に不足分を納める

という精算が行われます。

源泉徴収票がないと正確な申告ができません。

③ 医療費控除・各種控除の計算に使う

  • 医療費控除
  • 生命保険料控除
  • 扶養控除
  • 住宅ローン控除(初年度)

これらを使う場合も、

その年の所得額が分からないと計算できません。

源泉徴収票は「控除がいくら使えるか」を判断する基礎資料になります。

④ 金融・行政手続きで求められることがある

意外と見落とされがちですが、

  • 保育園の入園申請
  • 住宅ローン・賃貸契約
  • 各種給付金・補助金申請

などで、収入証明として提出を求められるケースもあります。

特に、

  • 退職直後
  • 無職期間がある場合

は、源泉徴収票が「収入を証明できる唯一の書類」になることもあります。

大切に保管しておきましょう。

いつ・どうやってもらう?

源泉徴収票は、

退職後原則1か月以内、最終給与の支払い後に発行されることが多く、

手渡しまたは自宅への郵送のどちらかです。

退職時に、

「源泉徴収票はいつ、どこに送られますか?」

と必ず確認しておきましょう。

失くしたらどうなる?

万が一紛失しても、再発行は可能です。

ただし、

  • 事務に連絡する必要がある
  • 時間がかかる
  • 退職後だと連絡しづらい

というデメリットがあります。

退職時点で必ず受け取り、大事に保管しましょう。

□ 雇用保険被保険者証

雇用保険被保険者証は、

あなたが雇用保険に加入していたことを証明する書類です。

小さくて地味な紙ですが、

退職後・転職時・失業保険の手続きで必ず登場します。

雇用保険被保険者証の主な用途は、この2つ。

① 転職先での雇用保険加入手続き

転職すると、新しい職場で再び雇用保険に加入することになります。

その際に必要なのが雇用保険被保険者証です。

これがあることで、

  • 過去の雇用保険加入履歴を正確に引き継げる
  • 手続きがスムーズに進む

逆に、ない場合は、

  • 会社側がハローワークに照会
  • 手続きに時間がかかる
  • 入社後に追加提出を求められる

といった地味なストレスが発生します。

② 失業保険の申請

退職後、失業保険を申請する場合にも必要です。

ハローワークでは、

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証

をセットで確認されます。

被保険者証がないと、

  • 本人確認に時間がかかる
  • 追加書類の提出を求められる
  • 初回手続きがその日に完了しない

といったことも珍しくありません。

□ 年金手帳(または基礎年金番号通知書)

退職後年金関連の手続きで必要になるのが、

基礎年金番号です。

以前は「年金手帳」が発行されていましたが、

2022年4月以降は新規発行が廃止され、

現在は「基礎年金番号通知書」が発行されています。

退職時に新しくもらう書類ではないため、

  • 手元にあるか
  • 番号が分かるか

を事前に確認しておきましょう。

もし紛失していても、

年金事務所で再発行・番号確認が可能です。

□ 健康保険資格喪失証明書

健康保険資格喪失証明書は、

「この人は、◯年◯月◯日で会社の健康保険をやめました」

という事実を証明する書類です。

退職すると、病院の健康保険(協会けんぽ・組合健保など)は退職日の翌日に自動で資格喪失します。

そのあとに行う以下の手続きで必要になるのが、この書類です。

① 国民健康保険に加入するとき

任意継続被保険者制度を使わずに、市区町村の役所で国民健康保険に切り替える際、

  • 退職したこと
  • いつ健康保険を失ったか

を証明するために提出します。

※ 離職票では代用できない自治体も多いです。

② 家族の扶養に入るとき

配偶者や親の扶養に入る場合も、

「すでに会社の保険を抜けている」

ことを証明するために必要です。

いつ・どうやってもらう?

多くの場合、退職後1週間〜10日程度で離職票などと一緒に郵送されます。

ただし、こちらから頼まないと発行されないケースもあるので、必ず自分から確認しましょう。

【STEP3】退職後すぐにやる手続き(期限あり)

□ 健康保険の切り替え

退職日の翌日から会社の健康保険は使えなくなります。

選択肢は以下の3つです。

  1. 国民健康保険に加入
  2. 任意継続被保険者制度を利用
  3. 家族の扶養に入る

原則、14日以内に手続きが必要です。

何もせず放置すると無保険期間が発生し、

その間の医療費は10割負担になります。

後から無保険期間分の国民保険料を払うことで、

医療費の自己負担分(原則7割)の払い戻しを受けることができます。

その場合は無保険期間中の医療費の領収書を用意し、

国保窓口で「加入前に受診した医療費の還付」を申請する必要があります。

面倒な手続きを増やすことになるので

無保険期間を作らないに越したことはありません。

退職後、最優先でやるべき手続きとして覚えておいてください。

□ 年金の切り替え

  • 厚生年金 → 国民年金へ
  • こちらも14日以内が目安

手続きをしないと、

未納扱いになり、将来の年金額に影響します。

市区町村役場で国民健康保険の手続きと一緒にするとスムーズです。

□ 失業保険(必要な人のみ)

  • ハローワークで申請
  • 離職票が必要
  • 自己都合か会社都合かで条件が変わる

「すぐ転職しない」「少し休みたい」人は、

必ず確認しておきましょう。

【STEP4】お金まわりで忘れがちなこと

□ 住民税の支払い方法

住民税は前年の所得に対して課税されます。

退職後は、

  • 一括請求
  • 自分で納付(普通徴収)

になるケースが多く、

思ったより金額が大きくなりがちです。

「こんなに?」とならないために事前に把握しておきましょう。

□ 奨学金の返済手続き

病院奨学金・看護奨学金がある場合、

  • 返済開始時期
  • 分割できるか
  • 一括請求されるか

は必ず確認をしておきましょう。

退職後に突然高額請求され、

貯金がなくなり生活がカツカツになる…なんてことのないように気をつけましょう。

【STEP5】転職する人がやっておくと楽なこと

□ 提出書類をまとめて保管

  • 雇用保険被保険者証

  • 源泉徴収票

  • 看護師免許証(コピー)

これらの書類は転職先に提出する可能性が高いです。

「あれ、どこやったっけ?」と家中を探し回るのは時間と体力を消費するので、

一箇所にまとめておくだけで転職時のストレスが激減します。

まとめ

退職は、心も体も消耗します。

事務手続きまで完璧にやるのは大変ですよね。

でも、

  • 書類が届かない
  • 保険が切れていた
  • お金で損をした

こうしたトラブルは、

ほぼすべて事前に防げるものです。

チェックリスト通りに進めることで、

退職後のリスク・ストレスは大きく減ります。

辞めたあとまで職場に振り回されないために、

このチェックリストがあなたの役に立つと嬉しいです。

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