※この記事は、前回の続きです。
▶︎前回:労基に相談した日|「私の認識は間違っていなかった」と思えた瞬間【看護師リアル体験談】
労基に相談した日
労働基準監督署に電話をして、有給の取得について上司に了承してもらえないことについて相談しました。
正直、緊張しながらの電話でした。
ここでも何か否定的なことを言われたらどうしよう…
と思っていたのです。
でも、担当の方は私の話を遮ることなく、
否定することもなく、
淡々と、でもはっきりとこう言いました。
「年次有給休暇は、労働者の権利です。
退職日がすでに決まっている場合、
病院側が有給の取得そのものを拒否することはできません」
さらに続けて、こんな説明もしてくださいました。
- 在職中であれば、業務都合で有給の日付変更を求めることはあり得る
- ただし「退職日」が確定している場合、その退職日を動かす権限は病院側にはない
- つまり、退職までの期間に残っている有給は、取得させる必要がある
- もし申請を出しても受け取らない、拒否されるようであれば、「申請した事実」が残る形で提出するだけでも意味がある
「それでも話が進まなければ、また連絡してください」
そう言われて、お礼を告げて電話を終えました。
電話を切った後、頭の中で大歓声が起こりました。
私はようやく確信しました。
何も間違ったことをしていなかったと。
「やっぱり私は間違ってなかった」
電話での相談を終えて、
今まで師長や副部長に言われてきた
「非常識」
「病院に恩を返していない」
「人が足りなくなるのに無責任」
それらの言葉が、
一気に“感情論”に思えました。
師長や副部長の中の古い常識、
それに従うことに何のメリットがあるのでしょうか?
有給はお願いするものでも、空気を読んで諦めるものでもない。
法律で守られた権利なんだ。
そう思えたことで、
私はようやく次の行動に進む覚悟ができました。
労基の話を、師長に伝える
後日、私は師長に時間をもらいました。
有給を使いたいと言った日から不機嫌で無愛想になった師長。
正直、声をかけるのも怖かったです。
これまでの面談ではこちらの話を聞いてもらえる空気ではありませんでしたし、
もう今回で面談は終わりにしたい。
覚悟を決めて挑みました。
手術室の空き部屋で2人きり、重い空気が流れます。
「それで、考えてくれた?」
高圧的な口調で聞かれました。
おそらく、期待していたのは
「無理を言ってすみませんでした。
今までお世話になった分、退職日まで働いて有給は取りません。」
とか、師長に都合のいい返事だったと思います。
しかし私は、震えそうな声に力を込めて言いました。
「労基に相談しました」
そう切り出した瞬間、
師長の表情が一瞬だけ変わったような気がしました。
私は、労基で言われた内容を
できるだけ冷静に、そのまま伝えました。
- 有給は法律で認められた権利であること
- 退職日が決まっている場合、取得を拒否できないこと
-
申請を出しても受け取らない、拒否されるようであれば「申請した事実」が残る形で提出するだけでも意味があること
師長はしばらく黙っていました。
私は続けて
「もし私が有給を取るという書類を師長の机に提出したら、
師長が認めても認めなくても私が有給を取ることに問題ないはずです。
でも私は、お世話になった師長にきちんと認めていただいて有給を取ってから退職したいです。」
と言い、師長の反応を窺いました。
明らかに変わった「空気」
それまでのように
「そんなの非常識」「前例がない」と
言い返されたり、一方的に責められることはありませんでした。
代わりに出てきたのは、
「……わかった」
その一言でした。
そして一層不機嫌オーラを出しながら部屋を出ていきました。
正直、拍子抜けするほどでした。
今まで、
あれだけ感情的に否定されてきて
一向に進まなかった話が、
労基の名前を出した途端に終わった。
その現実に、
「だったら最初から認めてくれていればよかったのに」
という、
圧をかけたらいいなりにできると思われていたことへの悔しさ、
師長は結局は保身のために自分が困ることを避けたいだけの人だったことへの虚しさ、
たとえブチギレられながらだとしても、有給を取れることへの嬉しさなど、
様々な感情が渦巻きました。
「相談先を変える」だけで、状況は動く
このとき、私はわかりました。
狭い世界の中だけで話をしている限り、
力関係は絶対に変わらない。
看護師の中での常識は押し付けられ、
それを変えようとすると非常識だと言われる。
でも、
正しい相談先に、正しい形で相談すれば、状況は動く。
知っているか、知らないか。
そして、行動できるかどうか。
その違いは、小さいようで大きく、
状況を大きく変える力を持っています。
追い詰められている人ほど、外に相談してほしい
もし今、
- 有給を取らせてもらえない
- 「空気を読め」と言われる
- 有給を消化して辞める=迷惑だと責められている
そんな状況にいる人がいたら、伝えたいです。
あなたが非常識なんじゃない。
仕組みを歪めている環境がおかしい。
昔からそうだからと諦める必要はありません。
労基に相談することは、
非常識でも裏切りでもありません。
自分の人生と権利を守るための、
正しい行動です。
▶︎次回:退職が決まってから、退職するまでの時間|看護師が“辞めると決めてから”過ごした3ヶ月【看護師リアル体験談】
※本記事内の有給休暇に関する情報は、以下を参考にしています。
・労働基準法 第39条(年次有給休暇)
・厚生労働省リーフレット
※本記事は筆者の体験談と、当時の労働基準監督署での説明をもとに記載しています。
個別の状況によって判断が異なる場合があるため、詳しくは管轄の労働基準監督署へご相談ください。
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