最終出勤日。嫌がらせと応援の中で迎えた、病院看護師としての最後の日【看護師リアル体験談】

ヤメ看体験談

※この記事は、前回の記事の続きです。

▶︎前回:退職が決まってから、退職するまでの時間|看護師が“辞めると決めてから”過ごした3ヶ月【看護師リアル体験談】

師長からの嫌がらせとも捉えられる不自然な手術割、

一方で積み上げてきた信頼で得られた同僚の応援の中、

最終出勤日を迎えました。

コロナが流行り始めていた頃の手術室

ちょうどその頃、世の中では新型コロナウイルスが流行り始めていました。

病院でも方針が変わり、

医療物資や人員、医療安全を守るために、

不要不急の手術は控える、という流れになっていました。

そのため、手術室は以前ほど忙しくはなく、

退職当日も手術は多くありませんでした。

その日は、朝から一件だけ入る手術がありました。

「今日は最後の日だ」

そう思いながらも、

やることはいつもと同じ。

最後まで、丁寧に、真面目に、

自分の仕事をやろうと決めていました。

退職日の朝、師長への挨拶

最終出勤日の朝、手術室に行くと、

師長が夜勤明けでそこにいました。

夜勤明けのため、

日勤への引き継ぎを終えたら

そのまま帰ってしまいます。

正直に言えば、

私は師長のことが大嫌いでした。

それでも、

「お世話になったという事実は変わらない」

「社会人として、最後はきちんとしよう」

そう思って朝の申し送り後、

私は師長に挨拶をしに行きました。

緊張で声が震えそうになるのを抑えて言いました。

「今日が最終日になります。

今までお世話になりました。

ありがとうございました。」

返ってきた言葉は、とてもあっさりしたものでした。

「ああ、はい。お疲れ。」

それだけ。

ありがとうの一言もなく、

労いの言葉もなく、

目も合わせず、

表情も変わらず、不愛想なまま。

正直、驚きました。

こんなにも一生懸命働いてきて、

迷惑もかけたし退職の過程で揉めたとはいえ、

最後の挨拶が、こんな適当なんだ、と。

私の存在なんてどうでもいいと言わんばかりの態度。

「挨拶なんてしなければよかった」と思ったし、

虚しさでちょっと泣きそうでした。

でも、その一方で、

「やっぱりこの人はこういう人なんだ」

「結局、こんな人の元で働き続けるのは難しかったな」

「もう、この人に会わなくていいんだ」

そう思えたことが、

少しだけ救いでもありました。

最後の手術

気持ちを切り替えて、

私はその日の手術に入りました。

「もう、この手術室に入ることはないんだな」

そう思いながら、

仕事は間違いがないよう、丁寧に行いました。

特別なことは何もありません。

ただ、いつも通り、真面目に。

それが、私なりの最後の向き合い方でした。

退職前の挨拶と、思いがけない贈り物

その日は手術も少なかったため、

午後は勤務していたメンバーほとんど全員が手術を終え、

記録や書類整理をしていました。

勤務時間が終わり、

私は同僚に向かって挨拶をしました。

「1年と2ヶ月、本当にお世話になりました。

ご迷惑もたくさんおかけしましたが、皆さんのおかげで今日まで頑張ってこれました。

ここでの経験はまた新しい場所で生かしたいと思います。

ありがとうございました。」

すると、同僚たちから

花束と寄せ書きを渡されました。

師長と揉めたこともあり、

まったく予想していなかったので、

本当に驚きました。

おそらく同僚が考案して実行してくれたため、

もちろん師長の寄せ書きはありませんでした。

それでも、

ここで同僚との良い信頼関係を築けていたんだと思えて、

胸がいっぱいになりました。

手紙に込めた気持ち

この日、

私は手術室のメンバー全員に手紙を書いて持って行きました。

全員の尊敬するところや好きなところ、

感謝の言葉を綴りました。

気恥ずかしさもあり全員に直接手渡しはできなかったので、

昼休みにそれぞれのロッカーにそっと入れておきました。

当日読んでくれた人の中で

「読んで感動したよ」

「今まで頑張ってくれてありがとう」

「手紙、すごく嬉しかった」

そう声をかけてくれた人もいました。

私の想いがきちんと伝えられてよかったなと思いました。

病院を出た瞬間

病院を出たとき、

ふと、こう思いました。

「ああ、もうここに来なくていいんだ」

「辞めたんだな」

不思議と、体が軽くなったような感覚がありました。

ここまで本当にいろいろありました。

つらかったこともあったし、

手術室に異動して楽しいと感じた時期もあった。

また苦しくなって、休んだこともあった。

それでも、

「最後まで、自分にできる精一杯はやった」

そう胸を張って言える。

だから、後悔はありません。

看護師としての一つの区切りを、

私は自分なりに、きちんと終えることができました。

▶︎次回:有給消化中の生活|解放感と、新しい選択肢に気づいた日々有休消化期間の開始【看護師リアル体験談】

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